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VIDEO-ITを取り巻く市場と技術

2008年12月26日掲載

第33回 BMLの仕様から見るデータ放送の今後<その4>
      データ放送を取り巻く環境の変化

執筆:クワトロメディア株式会社 長谷川修平
執筆者プロフィール

 このように、通信経由で行っていることを放送波で、その逆で放送波で行っていることを通信で、というようにケースによって使い分けることが一般的になるかも知れません。視聴者の目線から見れば、どこまでが放送波でどこからが通信なのか、意識せず利用できるような環境が整備され、正にシームレスな情報配信が実現します。

 そして、なんといっても大きく変化するのは広告ビジネスではないでしょうか。これまでのTVCMと言えば、十数秒という限られた時間のなかでいかに商品の魅力を伝え、記憶に残すかといったことが念頭に置かれていました。
そして、より効果的な時間帯やチャンネルを選択するためには、視聴率のサンプリングデータやアンケート等による調査結果を基準にするしかありませんでした。しかし、映像と連動したデータ放送を付加することで、こういったTVCMの在り方を変えることが出来るのです。

 一つは視聴率調査です。視聴率や視聴傾向を調査する機能は、受信機に組み込むという方法もありますが、すでに実用化されているデータ放送で十分に実現可能です。ワンセグ放送をはじめとする携帯電話向けの放送では、BMLから携帯電話の端末IDを取得でき、制度的な課題はあるものの、これを利用できれば、時間別、男女別、地域別、といった通常の視聴率調査はもちろん、GPSと連動させれば視聴場所や移動中か否かなど、さらに細かな調査も可能です。

 もう一つは、これらの詳細な視聴率調査を活用したターゲティング広告のようなビジネスの展開です。例えば、生命保険のCMを放送する場合、携帯端末の固有IDを取得し、通信経由で視聴者の属性を確認します(ここにも制度的な課題がありますが)。そして、データ放送の画面上に視聴者の年齢にあった保険プランを表示させるといったことが可能なのです。こうした手法が実現すれば、WEB広告のように多様な広告ビジネスが展開できるようになるでしょう。

 ここに挙げた「データ放送の今後」は、私が考える(希望的観測を含む)未来像の一部に過ぎません。

 最近の放送と通信を取り巻く環境はこれまでになく大きな変化を遂げようとしており、技術者としての視点だけではなく一人の視聴者としても、大きな期待を込めて業界の動向に注目して行きたいと思います。


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(コラム記事/クワトロ・メディア 株式会社 長谷川修平)

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