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VIDEO-ITを取り巻く市場と技術

2008年4月23日掲載

第29回 NAB2008速報

■MXFベースの制作環境の充実
MXFを入力ファイルフォーマットの一つとしてサポートすることが、あたりまえになっている。が、本来のMXFの本来の趣旨であるシステム間の互換・共有という観点での取り組みは今ひとつのようだ。報道制作を素材取り込みから送信までをファイルベースで行うソリューションを展開しているところが多かったが、"XDCAM"、P2といったMXFファイルが入力フォーマットの一つとして位置づけられている。トランスコーダやNLEについても同様で、今後は、相互互換性とメタデータ運用への取り組みがポイントになると考えられる。

IBEのパートナー会社の一つのMOG-Solutions社が、北京オリンピックのNBC制作設備をフルMXFで構築しようという進行中の事例を紹介していた。

写真6:MOG Solutions社のブース。

MOG Solutions社のブース

同社は北京オリンピックのNBC制作設備の一部を担当している。下図のとおり、OMNEONサーバに収録した素材と、別のサーバに格納されたアーカイブ素材をMXFでAvidのNLEに渡したり、インターネット配信のために変換したりする。

図1:北京オリンピックにおけるシステム概要

MOG Solutions社のブース

このシステムではTobogganと言う変換サーバが鍵となっている。TobogganはMXFファイルのさまざまな自動変換をつかさどるものだ。

この他のMXF関連の注目すべき展示としては、朋栄のOP1a-OPAtom変換がある。"XDCAM" HDとP2HDのファイルを相互変換するための製品だ。

写真7:"XDCAM" HDとP2の変換サーバ

"XDCAM" HDとP2の変換サーバ


SD(DV)の"XDCAM"とP2の相互変換はMOG-Solutionsが以前から実現していたが、HDでは始めての製品だ。一方、NLEでのMXFメタデータハンドリングは、あまり進展していない印象を受けた。そもそも、今年のNABは、AvidやAppleといった主要NLEメーカーのうち2社が出展していなかった。

■見逃しサービスHuluに注目
IPTVは、ビジネスモデルの確立がまだ途中など、まだ混沌とした感じを受けた。今回、展示ではないが、NBCとFoxのジョイントベンチャーの番組映像ネット配信会社であるHuluの社長が基調講演を行った。ちなみに昨年はGoogleだった。Huluは、まさにネット側に対するテレビ側の反撃とも言えるアクションだ。いわゆる見逃しサービスで、放送された番組がCMつき・無料でインターネット配信されている。実際の映像は日本から見ることができないようにカードがかかっているが、NABで折角USにいるので、ホテルからチェックしてみた。日本でおなじみのタイトルとして、たとえばこの春から始まった「ER」の新シリーズが配信されていた。映像自体はFlash Videoでの配信だ。Flashを使った視聴体験を友人と共有するための支援機能がプレイヤーに付加されている。自分のブログに貼ったり、友人に電子メールで再生のためのURLを伝えたり、といったことができる。番組中の特定範囲を指定することも容易だ。テレビ局主導の見逃しサービスとして、BBCのiPlayerと合わせて、今後注目すべきである。

写真8:一般的な視聴画面。まわりを暗くして視聴に専念しやすくできる。
もちろん全画面再生も可。

一般的な視聴画面

写真9:自分のBlogに番組の指定範囲を埋め込むための、タグ情報を得る画面。指定範囲を埋め込めるので、興味深い点の話を書く際の参照が容易。友人にメールで送ることもできる。
タグ情報を得る画面


■朋栄アイ・ビー・イーは

弊社は、MOG-Solutions社のブースで日本語による説明を行ったほか、新製品であるMXF Recorderのカタログ配布を行った。

■番外
Mogulus社は、インターネットを使った映像中継機能を提供するWebサイトを展示。放送スタイルのCGMサービスだ。簡単なビデオスイッチャー機能をWeb経由で提供しており、ユーザは自分のチャンネルを作り時間軸に沿ってビデオを配信できる。インターネット経由で入ってくるライブ映像フィードを切り替えて、テロップを付加することも可能だ。ビジネスモデルとして、ユーザは無料で使うことができ、Mogulus社がCMを付加する。

写真10:ユーザ視聴画面
ユーザ視聴画面

写真11:マスター画面

マスター画面

 

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(コラム記事/ 株式会社朋栄アイ・ビー・イー)

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