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VIDEO-ITを取り巻く市場と技術

2008年3月6日掲載

第27回 広がりをみせるH.264アプリケーション

(月刊ニューメディア2008年2月号 掲載記事)

■ワンセグ放送
ワンセグ放送は広く知られているので、改めて説明するまでもないと思う。現在は、地上波放送のサイマル送信のみだが、将来、独自編成が可能となったり、コミュニティワンセグと呼ばれる独自放送が可能になったりすると、新たな展開が期待できる。QVGA解像度で15fps、ビデオのビットレートで200Kbps程度のH.264 Baselineプロファイルが使われている。音声はHE-AAC、多重化はMPEG-2 TSだ。携帯デバイス向けの放送では、ワンセグ放送の他、モバHO!や韓国のT-DMB / S-DMB (Digital Media Broadcasting)、ヨーロッパのDVB-HもH.264を採用している。

■携帯電話動画配信
携帯電話の最新モデルには、ワンセグ以外のH.264ビデオも再生できる機能を入っている。auの「EZチャンネルプラス」やNTTドコモの「10MB iモーション」と呼ばれているサービスだ。これらは、ファイル化されたH.264映像をダウンロードしながら再生するものだ。QVGA解像度をサポートしており、従来の携帯電話の動画配信のイメージをくつがえす、ワンセグ相当の画質で配信できる。auの場合の詳細は公開されていないが、NTTドコモの場合、30fpsの映像配信も可能だ。音声はHE-AAC、多重化は3GPP(MP4)が使われている。

■iPod
携帯デバイスの話を続ける。iPodも映像圧縮にはH.264を使っている。QVGA解像度30fps、H.264 Baselineプロファイル、音声はAAC-LC、多重化はMP4だ。iTunesで販売されている動画も、もちろんH.264。

■PSP(プレイステーションポータブル)
ソニーコンピュータエンターテイメントが発売しているゲーム機PSPもH.264再生機能を持つ。QVGA解像度30fpsはiPodと同様だが、BaselineプロファイルだけでなくMainプロファイルにも対応している。音声はAAC-LC、多重化はMP4と同様。UMDと呼ばれる光ディスクにH.264動画を格納したタイトルも発売されている。最近ワンセグ対応のアダプタも発売された。

■Blu-ray
Blu-ray Disc Associationが策定した次世代光ディスクのBlu-rayでも最近H.264を使ったタイトルが増えてきた。Blu-rayは、映像圧縮には、MPEG-2、H.264 Highプロファイル、VC-1を採用している。片面2層で50GBの容量があり、データ再生速度は最高36Mbps。よって、H.264を使う場合も、ビットレートは高めで、30Mbps近いビットレートで使われているようだ。

■HD DVD
DVD-Forumが策定した次世代DVD規格のHD DVDもH.264に対応している。映像圧縮は、Blu-ray同様、MPEG-2、H.264 Highプロファイル、VC-1を採用している。片面2層で30GBの容量があり、データ再生速度は最高36.55Mbpsだ。

■HD衛星放送
衛星放送の場合も、トランスポンダー1本あたりのチャンネル数を増やせることから、従来のMPEG-2ではなく、H.264が採用される事例が増えてきた。DVB-S2規格では、MPEG-2と共にH.264を採用している。多重化は当然、MPEG-2 TSだ。ヨーロッパでは2005年11月からAstra衛星で21chのHD放送が実施されている。USでもDirecTVが採用しており、88chのHD放送をやっている。日本では、スカパー(CS)で2008年夏からH.264を使ったHD放送が開始される予定だ。

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※編集の関係上、雑誌掲載内容と少し異なる個所があります。

(コラム記事/ (株)アイ・ビー・イー 先端システム研究所 竹松昇)

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