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VIDEO-ITを取り巻く市場と技術

2007年12月6日掲載

第18回 著作権保護からセキュリティ用途まで〜電子透かしのご紹介
- 「透かし技術の活用事例と世界的な標準化に向けて」

コラム執筆:株式会社メディアグリッド 岡村一寛
執筆者のプロフィール

放送監視とマーケティング
日本と異なり、海外では1つの放送番組が多くの地域、場合によっては同時に多くの国で放送されることが常です。また、通信社では独自取材で得たコンテンツは世界中へ配信しています。このコンテンツの管理はどのようなしくみになっているかご存知の方は少ないかもしれません。この管理に電子透かしは一役買っています。

世界中に設置されているSet Top Boxによってリアルタイムに動画の中に埋め込まれている透かし情報を監視しています。放送局間、あるいは通信社との契約に基づいて正しく放送されているのか、ある一定期日間で何回放映されたか、という情報が即座に判ってしまうのです。また、制作会社や通信販売企業が独自に作成した番組が、一体いつ放送されているのかを確認する際にも役立っています。例えば、某テレビ通販企業が作成した番組は、複数の局で放送されます。どの放送局で放映された後に最も受注電話があったのか…簡単に判りそうですがそうではありません。このシステムを使うことで簡単に把握することが出来ます。

図1:キャプション(仮)

図4:放送監視とマーケティング

 

デジタルシネマの不正録画防止
近年では、映画の上映形態も様変わりしています。私(著者)は映画業界に携わっていいたこともあり、よく映写室の中でポジフィルムを編集する機会がありました。今でも多くの方は"映画=フィルム"だと思われていることでしょう。海外に目を向けると、昨今はデジタルシネマと言われるものが増加しています。これはフィルム(トレーラーとも言われます)ではなく、巨大な高解像度な動画データをネットワークで伝送し、これもまた巨大なプロジェクターでスクリーンに投影します。全てが巨大なので少々信じがたいですが、既に多くの映画館で実用化されています。日本でも数十館で運用されています。

昔は巨大なフィルム(トレーラー)を盗むなんてことは考えも付きませんが、データとなった今では盗まれることも考えられます。そこは暗号化することで再利用を防御する術を施してあります。問題は、今においても不正な映画作品の流出は客席からの盗撮とも考えられます。この仕組みでは、スクリーンに投影される画像と音声の中に電子透かし技術で上映場所の特定が可能な情報が埋め込まれています。

不正な盗撮は映画館の管理責任でもあり、不正データを見ると三脚を立てているかのように上手く撮影されている場合も見受けられます。不正な盗撮の温床を断つ意味でも本技術が活用されます。

図1:キャプション(仮)

図5:デジタルシネマの不正録画防止

 

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(コラム記事/メディアグリッド 岡村一寛)

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