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VIDEO-ITを取り巻く市場と技術

2007年12月13日掲載

第9回 FTTH型CATVの開発 前編

 

■FTTH型CATV事業化
FTTH型CATVの技術的検討が進んだ段階で、計画を実行するために事業化計画を策定し会社としての方針を決定することが必要になりました。結局1994年秋"次世代ブロードバンド時代"の先駆けとして「FTTH型CATVの事業化」を推進することが決定し、その為の投資額も概ね了解が得られましたので、我々は大手を振って新しい仕事に取り組むことができるようになりました。
早速CATVの事業会社を作ることから始まりました。日立は商社の丸紅と交渉し、共同で事業会社を設立することになりました。早速メンバーが集合し強力に推進することを誓い合いました。

まず全国地図とCATV事業者一覧を見ながらCATV事業エリアの選定にかかりました。関東一円でもまだCATV会社がないエリアがいくつか残っていましたので、その中から選ぶことにしました。丁度横浜市戸塚区は空きエリアでありまた日立の関連事業所も多いことから、ここを優先に交渉を進めることとしました。地元関係者に繰り返し説明し協力を仰ぎました。エリアの確保は事業者を決め郵政省(現総務省)に対し認可申請書を提出することから始まります。同じ時期に他に手を上げる事業者がいませんでしたので自動的に我々が事業者と決定し、会社名は「タウンテレビ横浜」で事業エリアは戸塚区と栄区となりました。当初FTTHの事業計画が決まりませんでしたので、まずは従来のHFC方式で申請書を提出し、FTTH方式が決まり次第申請書を変更し再提出することで行政側の了解を得ました。

      戸塚区、栄区の位置
図4:CATV事業エリア(戸塚区、栄区)

戸塚区、栄区は横浜市西部に位置し人口約39万人に達する大きな行政区です。企業もありますが、横浜市や東京都内への勤労者のベッドタウンになりつつあり、近年マンションなどの集合住宅の建設が多く見られるようになっています。一方地形的に起伏も多く場所によっては難視対策を既に施しているところもありました。CATV事業者はこのような地域の状況をきめ細かく調査し、多くの住人の満足を得られるような事業展開を考えてゆくことが必要になります。「タウンテレビ横浜」は戸塚駅から5分程度の町の中に事務所を構え業務を開始しました。従業員は丸紅と日立からの出向社員とアルバイトの約6名でスタートしました。しかしFTTH型CATVの実質的な計画は日立と丸紅の本体がやっていましたので、本格的な営業はできずもっぱら地元関係者との折衝に当たっていました。

次に我々はFTTH方式で事業が成り立つか見極める作業に取り掛かりました。何と言っても肝心なことは回線提供費がどの程度になるかです。早速今回のFTTHのインフラ提供者であるNTTと実質的な打ち合わせを開始しました。既に実証実験は進んでいたので、システムの基本的な部分については困難な問題はないことが判明しました。しかしやはり最大のポイントは料金設定でした。

後編につづく

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(コラム記事/ (株)アイ・ビー・イー 坂井 裕)

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